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ドライアイの治療

ドライアイは、涙の作られる量が少なかったり、作られた涙がすぐに蒸発してしまったりして、目の表面が乾燥してしまう病気です。

涙の量が少ないことで、角膜や結膜に傷ができることがあります。

ドライアイの症状

ドライアイは下記の症状を引き起こします。

  • 目が乾く
  • 目がゴロゴロする(目に異物が入っている感じがする)
  • 目がまぶしい
  • 目が痛い
  • 目がかすむ
  • まぶたが重い

ドライアイの検査

涙が蒸発するスピードを調べます。

涙に色を染める目薬をして、まばたきを我慢した時に、何秒で涙が蒸発するかを確認します。

5秒以内に涙が蒸発する場合、ドライアイと診断します。

ドライアイの原因

パソコンやスマホの長時間利用

パソコンやスマホの利用中は、まばたきの回数が減りやすく、ドライアイの症状が悪化しやすいです。

近くを見続けることで目の周りの筋肉が常に緊張してしまい、眼精疲労の原因にもなります。

30分利用したら30秒は遠くの景色をぼんやり見るなど、こまめに目を休めたり、意識的にまばたきを多くするように心がけましょう。

エアコン

エアコンの風が直接当たる環境にいると、涙が蒸発してしまいドライアイが悪化します。

冬場は湿度が低く、暖房の利用でさらに空気が乾燥するので、やはりドライアイが悪化します。

エアコンが直接当たらないように風の向きを工夫したり、冬場は加湿器を利用して湿度を保つようにしてください。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズを利用していると、その表面から涙の蒸発量が増すため、ドライアイの症状を引き起こすことが多くなります。

中には角膜の表面に傷ができてしまい、コンタクトレンズを装用できないほどの疼痛を自覚する方もいます。

さらにコンタクトレンズによって眼瞼下垂を引き起こし、まぶたが重く感じることもあります。

コンタクトレンズの装用時間を減らし、決められた装用期間(1日使い捨て、2週間使い捨てなど)を守り、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまうことがないように気をつけましょう。

全身疾患の合併症

シェーグレン症候群や顔面神経麻痺(兎眼)、眼瞼外反など、他の疾患の合併症としてドライアイが生じることがあります。

ドライアイの治療に加えて、原因疾患の治療が必要になります。

目の炎症

目の炎症が原因でドライアイが生じることがあります。

ドライアイの治療

点眼

涙は水分・ムチン(粘性物質)の層と油分の層に分かれます。

点眼薬の種類によって、水分を増やしたり、ムチンを増やしたり、油分を増やしたり、効果が違います。

ジクアス(ジクアホソルナトリウム)

水分、ムチン、油分のすべてを増やします。

現在のドライアイ治療のメインとなる目薬です。

防腐剤無添加のため、コンタクトレンズの上からでも点眼できます。

人によっては特に点眼しはじめの時に、しみる感じがあるかもしれません。

ムコスタ(レバミピド)

主にムチンを増やします。

目の炎症を抑える作用もあります。

1回使い切りタイプの点眼薬で防腐剤無添加のため、コンタクトレンズの上からでも点眼できます。

色が白いので点眼した後にぼやけて見える感じがあるかもしれません。

また、苦味を感じる人もいます。

ヒアレイン(ヒアルロン酸ナトリウム)

水分を増やします。

低濃度のものは保険診療を通さず薬局で買えるようになりました。

フルメトロン(フルオロメトロン)

ステロイドの点眼薬です。

目の炎症を抑制します。

慢性的に使用すると眼圧が上昇して緑内障を発症したり、免疫力が低下して感染症を起こしやすくなります。

ソフトサンティア・ソフトワン

人工涙液と言って涙の成分に近い点眼薬です。

防腐剤無添加のためコンタクトレンズの上からでも点眼できます。

涙点プラグ

点眼だけではドライアイの症状をコントロールできない場合に使用します。

涙点という、涙の出口の部分をプラグで塞ぎます。

涙点は左右の目の内側に上下1点ずつ存在します。

液体コラーゲンプラグとシリコンプラグの2種類があります。

液体コラーゲンプラグ

アテロコラーゲンを涙点に注入します。アテロコラーゲンは体温ほどの温度で固まる性質を持っており、涙点に涙が流れるのを防ぎ、涙の量を増やします。

数ヶ月でコラーゲンが流されてしまうことが多いので、その場合は再注入が必要になります。

シリコンプラグ

シリコンで出来た涙点プラグです。

涙点のサイズを測り、適切なサイズのプラグを挿入することで涙点に蓋をして、涙点に涙が流れるのを防ぎ、涙の量を増やします。

人によってはプラグを挿入している部分に異物感を感じる方もいます。

プラグが脱落してしまった場合は再挿入が必要になります。

手術

涙点閉鎖術といって、涙の出口である涙点を閉じてしまう手術です。

当院では行っておらず、専門施設へ紹介させていただきます。

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