目が痛い
目が痛い場合、大きく「眼の表面の痛み」と「眼の奥の痛み」に分けられます。
目の表面の痛み
目がゴロゴロする、異物感がある、刺すような痛みがあるなどの目の表面の痛みの場合には、以下の疾患が考えられます。
ドライアイ
目の痛みの原因として最も多いのがドライアイです。
涙の量が少ない、涙の質が悪く涙が渇きやすい状態です。
特にコンタクトレンズを使用している方はドライアイになりやすいです。
結膜炎
結膜炎も目の痛みの原因として多い病気です。
白目（結膜）に炎症が生じている状態です。
細菌やウイルス、真菌（カビ）の感染があると痛みを感じやすいです。
角膜異物・結膜異物
目の中に異物が入ることで痛みを感じます。
砂が目に入る、コンタクトレンズと角膜の間に埃が入る、庭の木枝の剪定作業中に木片や葉っぱが目に入る、工場の作業中に鉄片が目に入る、などが原因です。
原因となる異物を取り除く必要があります。
点状表層角膜炎・角膜潰瘍
黒目（角膜）に傷がつくことで痛みを感じます。
点状表層角膜炎は角膜に小さな傷ができた状態で、ドライアイの方によく見られます。
角膜潰瘍は傷が深くなり角膜全体の厚さの10分の1以上が削れた状態で、物が目に当たったり、感染がひどくなると見られます。
傷を治す目薬や軟膏を使うとともに、原因疾患の治療が必要になります。
眼瞼炎
まぶたの炎症です。
特に細菌やウイルスが感染したときに痛みを生じます。
麦粒腫
いわゆる「ものもらい」です。
まぶたにある汗や脂を出す腺に感染が生じることで痛みを生じます。
急性霰粒腫
霰粒腫はまぶたにある脂の腺がつまって炎症を生じる病気です。
霰粒腫だけでは痛みは生じませんが、さらに細菌の感染が生じることで痛みを生じます。
睫毛乱生
いわゆる「逆さまつげ」です。
睫毛が角膜に当たって痛みを生じます。
当たっている睫毛を抜いて対処します。
眼瞼内反といって、まぶた自体が内側を向いていて、たくさんの睫毛が角膜に当たっている場合は、まぶたが外側を向くようにする手術が必要になります。
目の奥の痛み
目の奥が痛い、目の奥が重い、目の奥の痛みとともに頭の痛みもある、などの場合には以下の疾患が考えられます。
眼精疲労
パソコンやスマホなど、特に近くを見る作業が長くなると、目の周りの筋肉が疲れて目の奥や目の周りの痛みや重さを感じます。
急性緑内障発作
房水（目の中の水）の出口である隅角というところが閉じてしまい、目の中に房水が溜まって急激に眼圧が上昇することで痛みを感じます。
目の痛みの他に充血、頭の痛み、視力低下、まぶしさなどを感じます。
放置すると目の神経が傷んでしまい、最悪の場合失明することもある怖い病気です。
ぶどう膜炎
目の中に炎症が生じることで痛みを感じます。
細菌やウイルスなどが感染して起こる場合と、自己免疫といって自分の細胞を自分の抗体が攻撃してしまうような病気が原因で起こる場合があります。
視神経炎
視神経（目と脳を繋ぐ神経）に炎症が生じることで痛みを感じます。
痛みとともに急激な視力低下や中心の視界が暗くなる、色の感じ方がおかしくなるなどの症状が出ます。
眼窩蜂窩織炎
眼窩（眼球が収まっている空間）の炎症が原因で痛みを感じます。
目の奥の痛みや目の周りの痛みとともに、目の周りが赤く腫れることがあります。
細菌の感染が原因のことが多いです。
頭部の異常
脳出血やくも膜下出血などが原因で目の奥に痛みを感じることがあります。
頭痛や副鼻腔炎に関連して痛みが生じることもあります。
目の奥の痛みは要注意
目の奥の痛みの中には、視力や生命に関わるような重篤な疾患が潜んでいる可能性がありますので、ひどい痛みがある、目の充血がある、また嘔吐や視力低下がある場合は早めに眼科を受診してください。