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加齢黄斑変性の治療

加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性は、加齢に伴って黄斑(網膜の中心部にある、ものを見るのに重要な働きをする場所)が障害を受けてしまう病気です。

加齢黄斑変性では、脈絡膜から網膜に向かって新生血管という異常な血管が生えてきます。

この血管はもろく破れやすいため、出血したり、血液中の成分(滲出液)が血管外に漏れたりして、黄斑が障害を受けてしまいます。

加齢黄斑変性により視力が低下する、かすんで見える、物が歪んで見える、といった症状が起こります。

加齢黄斑変性の原因

加齢黄斑変性の原因として以下のものが挙げられます。

  • 加齢によるもの(50歳以上)
  • 喫煙によるもの
  • 高血圧によるもの
  • 遺伝によるもの

加齢黄斑変性の治療

抗VEGF薬硝子体注射

加齢黄斑変性の進行を抑制するために、抗VEGF薬という薬を目の中に注射します。

抗VEGF薬は新生血管が発生・発育する原因物質である血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑える作用を持つ薬です。

現在の加齢黄斑変性のメインとなる治療です。

代表的なものにアイリーアやルセンティスがあります。

 

アイリーア硝子体注射について詳しくはこちら

 

サプリメントの摂取

ルテインやゼアキサンチンが含まれたサプリメントを摂取することで、加齢黄斑変性の進行を抑えます。

ルテイン・ゼアキサンチンは黄斑に存在する色素で、網膜に障害を与える短波長の青色光を吸収する性質があります。

年齢とともに体内のルテイン・ゼアキサンチンの量は減っていき、黄斑は障害を受けやすくなってきます。

ルテイン・ゼアキサンチンは体内で合成されないため、外部から摂取する必要があります。

ほうれん草など食事から摂取することができますが、摂取できる量には限界があり、また摂取量も日々ばらつきがあるため、サプリメントからの摂取がお勧めです。

各社から様々なサプリメントが発売されていますが、院長おすすめのサプリメントが知りたい方は、診察の際に直接聞いていただくか、当院のLINEにご連絡いただければお答えします。

禁煙

喫煙が加齢黄斑変性の症状を悪化させるため、禁煙を推奨します。

光線力学的療法(PDT)

光に反応する薬を腕の静脈から投与し、弱いレーザーを網膜に照射して、新生血管を閉塞させます。

抗VEGF薬がほとんど効かない方に対して行う事がある治療です。

硝子体手術

新生血管からの出血が大量となった場合は、出血を取り除く手術を行う事があります。

レーザー治療

新生血管にレーザーを照射して退縮させます。

黄斑から少し離れた部位に新生血管がある場合に行います。

加齢黄斑変性の注意点

加齢黄斑変性は完治する病気ではありません。

加齢黄斑変性の治療は、病気の進行を停止・あるいは遅らせるためのものです。

抗VEGF薬によって一時的に症状を改善できるようになってきていますが、注射の効果は数ヶ月で無くなってしまうため、ある程度の間隔をおいて注射を繰り返し打ち続けなければなりません。

ルテインやゼアキサンチンを多く含む食事・サプリメントの摂取や、禁煙などの生活習慣の見直しも重要です。

加齢黄斑変性と診断されたら、自己判断で通院を中断せず、定期的に眼科を受診するようにしてください。

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