翼状片手術について
病名と病態
翼状片とは、紫外線などが原因で白目(結膜)の一部が黒目(角膜)の方に伸びてくる病気です。
放置すると整容的に問題になり、また角膜乱視が増大して視力が下がることがあります。
さらに、まばたきの際に眼の表面に違和感を感じることがあります。
手術の目的
翼状片による視力低下などの諸症状を改善するために、翼状片を除去する手術を行います。
手術の内容
翼状片を切除し、結膜を糸で縫合します。
手術は点眼による局所麻酔で仰向けの姿勢で行い、手術時間は通常10分程度です。
手術の合併症
1. 結膜下出血
手術直後に、結膜(白目)の出血で目が赤くなり、元に戻るまで2-3週間かかります。
結婚式や集会などで写真撮影を控えている場合はご注意ください。
2. 縫合糸によるゴロゴロ感
手術後は縫合糸により「ゴロゴロ感」「しみる感じ」「軽い圧迫感」などを感じることがありますが、強い痛みを感じることは通常ありません。
しかし、眼の状態が特殊であったり、手術中に特別な処置を施す必要があった場合には、稀に強い痛みを感じることがあります。
手術直後に強い痛みを感じる場合は、痛み止めの薬を処方しますので、遠慮せずに職員にお伝えください。
縫合糸は通常2-4週間で自然に溶けて無くなります。
3. 翼状片の再発
術後しばらくして翼状片が再発することがあります。
その場合は再手術が必要です。
紫外線が主な原因とされていますので、外出時に日差しが強い場合や、職業的に紫外線を浴びることがある方は、サングラス等をご利用ください。
手術後の留意点
手術後の生活
手術当日は眼帯をしてお帰りいただきます。
手術当日の洗顔・洗髪はお控えください。
首から下のシャワーや入浴は可能です。
手術翌日に眼帯を外して診察します。
手術翌日からは洗顔・洗髪をしていただいて結構です。
仕事や車の運転などの制限は特にありません。
手術後の点眼
手術後は1ヶ月程度、抗炎症薬と抗菌薬の点眼をします。
さらに再発防止のため1年程度、抗炎症薬の点眼を続けます。
代替可能な治療
翼状片は手術以外に治療方法はありません。
手術を行わなかった場合に予想される経過
自然経過では翼状片が改善することはありません。
ほとんど症状が変化しない方もいますが、通常は経過とともに翼状片が進行し、角膜を覆っていきます。